てへぺろ系男子sとたまの日々

ゆる系男子達(犬)とたまのなんてことないライフログ

時間薬

 地味にちいさい傷が絶えません。どうも、たまです。

 久しぶりにじっくり鏡を見たら(久しぶりってのはどうなんだ、というのはまあ置いといて)、永太さんにされる「顎クイ」傷で右顎にかさかさソーンが。顔を洗うたびにひりひりするなあと思ってはいたけど、目視で確認できるほどとは。いちいち叱ってはいるのだけれど、テンションが上がっていると叱られても褒められていると思ってしまうみたいで理解が進んでいない。どうしたもんだか。

 

どうしたもんだかといえば、困っていることがありまして。

 キミに困らされているのだよ、永太。なのにキミが困った顔をしてどうするんだね。

 

 先日のことです。犬のみなさんの食事と私の食事も終わり、私は無印の「人をダメにするソファ」に座り、犬のみなさんは私の膝の上でぴったりと寄り添って寝ておりました。春のわりに少し肌寒い夜だったけど、3人のぬくもりでこころまでほっこりと、なんだか幸せだなあと思っていました。

 と、突然。永太が奏太朗に噛み付いた。

 前触れゼロ。ただただ突然。奏太朗は当然悲鳴。悲鳴を聞いても離そうとしない永太。私は永太の口に指をつっこみ、無理やり引き剥がす。奏太朗は売られた喧嘩は買うタイプ。吠えながら永太に噛み返そうとする。永太は買われたらもちろん商品にのしつけて、お釣りもつけて返すタイプ。先に噛み付いたくせに被害者ヅラしてさらに噛もうとする。

 ぎゃうぎゃうと暴れる永太をとっ捕まえながら思う。ああ、寝ぼけて噛んだのかな永太。よく考えれば以前にも噛んで離さなかったことあったわ。やっぱり夜遅く、うとうと寝ていて、横を通った奏太朗に噛み付いた。あの時も離さなくて、私が口をこじ開けて、私の指先はちょっとした生傷を作った。

 今回も、犬のみなさんは無傷で、私は無駄に名誉の生傷をつくり、永太はこっぴどく叱られた。我に帰った永太は悪いことをしたのがわかったらしく、めずらしくしゅんとしていた。奏太朗は前回噛まれた時は永太不信になって、長い間側に来るたびに唸っていたけれど、今回は根に持っていないらしい。10分もしないうちにまたふたりはくっついて寝た。

 これは、どうしたもんかな。

 寝ぼけて噛むというのは、もう永太の理性ではどうにもしづらいものなんだろうな。嫌な夢でも見たのかな。特に今回は、きっかけも何もなかったし、100%永太が悪いのだけれど。

 つまりまだこの子の中では、終わっていないんだな。自分を守れるのは自分だけだって。噛まれる前に噛むんだって。急にはこの癖は治らないんだろうな。心の底から安心できるようになるまで、もう本人にもどうにもできない。飼い主としては歯がゆいけれど、でもどうにもできない。簡単になんとかなるものじゃない。

 永太がうちにきて10ヶ月とすこし。

 焦らない。たとえ永太が焦っても、私は焦っちゃいけない。きっと大丈夫。